売って終わりではない。利用者の声からHAREShareを改善した記録

サービスを公開していると、作る側だけでは気づけなかった使い方や、実際の結婚式だからこそ生まれる困りごとを教えてもらうことがあります。
HAREShareが大切にしているのは、新郎新婦が迷わず使えるシンプルさです。それでも、利用者の声から本当に必要だと判断した改善には、できるだけ早く取り組んできました。
この記事では、利用者から届いた声をきっかけに行った三つの改善について、当時の判断と開発の流れを振り返ります。
「新郎新婦に手間をかけたくない」というゲストからの相談
当初、写真や動画をまとめて保存する機能は、アルバムの管理者である新郎新婦を対象に用意していました。
結婚式の主役であり、サービスを購入する新郎新婦が、ゲストから集まったすべての思い出を受け取れることを優先していたからです。
ある日、アルバムへ参加していたゲストから問い合わせが届きました。内容の趣旨を要約すると、次のようなものでした。
ゲスト側から写真や動画をまとめて保存できないでしょうか。必要であれば、案内ページに書かれている550円を支払っても構いません。新郎新婦へ依頼しなければならないのであれば諦めますが、二人には手間をかけたくありません。
自分が便利に使いたいというだけではなく、新郎新婦の負担を増やしたくないという相談でした。
そこでまず、個別に決済をご案内し、写真や動画を受け取れるよう手動で対応しました。実際に利用され、その後、メールでお礼の言葉もいただきました。
この対応を通じて、私たちは一つのことに気づきました。
結婚式は新郎新婦の大切な一日であると同時に、家族や友人を含めた参加者にとっても、残しておきたい大切な時間です。
個別対応から、ゲストが自分で利用できる機能へ
一件の相談に個別対応するだけなら、正式な機能を増やす必要はありません。
それでも今回は、新郎新婦へ負担をかけずに思い出を保存したいという目的が、HAREShareの考え方とも一致していました。必要性を検討した結果、ゲストが自分で購入できる一括ダウンロード機能を正式に追加することにしました。
判断は慎重に行いましたが、追加すると決めてからはすぐに開発へ着手しました。決済から受け取りまでの流れや利用できる条件を整え、必要な確認を重ねて、約1週間で公開しています。
ゲストはアルバムのメニューから、税込550円で利用できます。新郎新婦に購入を依頼したり、操作してもらったりする必要はありません。購入したことが新郎新婦へ通知されることもありません。
料金を支払っても、閲覧できる範囲は広がらない
機能を考える中で特に慎重に検討したのが、ゲストがまとめて受け取れる写真や動画の範囲です。
HAREShareには、参加者全体へ公開する写真だけでなく、合言葉を知っている人たちの中で共有する仕組みがあります。一括ダウンロードを購入したことを理由に、通常は見られない写真まで取得できてしまえば、公開範囲を分ける意味がなくなります。
そのため、ゲスト向けの一括ダウンロードでは、参加者全体へ公開されている写真や動画だけを対象にしました。
料金を支払うことと、写真を見る権限は別のものです。
画面上の操作に限らず、どのようなアクセスでも公開範囲を越えないよう、仕組み全体で確認しています。
HAREShareの権限設計については、結婚式の写真を安心して共有するために。ハレシェアの安全性への考え方で詳しく説明しています。
実際の通信環境から届いた、二つの改善のヒント
写真や動画のアップロードについても、異なる利用者から二度、改善のヒントをいただきました。
HAREShareでは、もともと複数の写真や動画を選んでアップロードできます。しかし、実際の結婚式で使われる端末や通信環境はさまざまです。大きな動画を選ぶ場合や、通信が一時的に不安定になる場合には、通常よりも厳しい条件で処理することになります。
最初の声から見つかったのは、複数のファイルを送信している途中で一つが失敗したときの負担でした。
一部のファイルが正常に送信できていても、利用者がもう一度すべてを選び直さなければならない状態では、それまでの操作が無駄になってしまいます。特に、選択や送信に時間がかかる大きな動画では、やり直しの負担が大きくなります。
そこで、正常に送信できたファイルはそのまま完了とし、未完了のファイルだけを残して、もう一度送れるように改善しました。
大きな動画を、より安定して送れるように
その後、別の利用者から、大きな動画を不安定な通信環境で送る場合の安定性について、アンケートで改善案をいただきました。
スマートフォンで写真や動画を選ぶ画面は、端末やブラウザが管理している部分もあります。そのため、選択中の状態をHAREShareからすべて把握することはできません。
一方で、ファイルが選ばれたあとの送信方法や、通信が一時的に失敗した場合の復旧方法は改善できます。
問い合わせを受けたあと、私たち自身でも通信が不安定な環境を再現して確認しました。その結果をもとに、送信方法そのものを見直しました。
大きな動画を小さな単位に分けて送る仕組みを導入しました。
送信の途中で通信が乱れた場合も、動画全体を最初から送り直すのではなく、影響を受けた部分を送ることで復旧しやすくしています。
ここでも目指したのは、単に「失敗しない」と言い切ることではありません。
端末や通信の影響を受けることを前提に、途中で問題が起きても、それまでの操作をできるだけ無駄にせず復旧できることを大切にしました。
この改善も、声をいただいてから約1週間で確認と開発を進め、公開しています。ゲストだけでなく、新郎新婦が利用する画面にも同じ考え方を反映しました。
改善して終わりにしない
それぞれの改善を公開したあとには、要望を寄せてくださった方へ対応内容をお伝えしました。
また、機能を公開しただけで完了とは考えていません。同じ種類の困りごとや問い合わせが続いていないか、日々の運営の中で確認しています。
変更を公開する前には、さまざまな条件で動作を確認します。公開後も利用状況を見守り、同じ困りごとが続いていないかを確かめます。
利用者から届いた一つの声を、その人だけへの回答で終わらせるのか。これから利用する人にも役立つ改善へつなげるのか。サービス全体を複雑にしないか。
その都度考え、必要だと判断した改善には、迅速に取り組みます。
利用されてからが、サービス改善の始まり
今回紹介した改善は、開発チームだけで考えていては生まれなかったものです。
新郎新婦を主役にしたサービスでありながら、家族や友人にとっても写真を残したい一日であること。通常の環境で動くだけでなく、実際に使われる端末や通信環境を前提に、失敗から復旧しやすくすること。
利用者の声から、HAREShareが大切にすべきことを改めて教えてもらいました。
サービスは、売って終わりではありません。実際に利用され、声が届き、より良い形へ変えていくところからが始まりです。
HAREShareへのご意見や相談がありましたら、お問い合わせからお寄せください。
この記事について
- 実際に利用者から届いた問い合わせとアンケートをもとにしています
- 問い合わせの文章は、個人を特定できないよう趣旨を要約しています
- 改善内容と時期は、当時の開発記録と照合しています
- セキュリティや安定運用に関わる内部実装の詳細は公開していません
